愛に生きた女性

フランスの国民的シャンソン歌手、エディット・ピアフは、まさに愛に生きた女性だった。貧しい一家に生まれ、歌うことでしか生計を立てるすべを知らない彼女は、多くの男性遍歴を重ねながら、偉大な歌手へと成長していく。その中でも有名なのは、「ラ・ヴィ・アン・ローズ」を生み出した、年下の歌手、イブ・モンタンとの恋。そして、「愛の讃歌」を歌うきっかけとなったボクシングの世界チャンピオン、マルセル・マルダンとの恋愛と死別。彼女は、麻薬に溺れながらも、愛を求め、歌に生きた。事故や自殺未遂、麻薬療養、度重なる手術と、平穏な人生ではなかったが、彼女は生涯、愛とともに生き、愛とともに逝ったのだ。