贅沢な本

私が、今、はまっている『愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ』が、知性と感性の両面に大きく訴えかける本と言う点で、ある種、贅沢といえるのとは、また異なり、このアリスのオリジナルは、ルイス・キャロルの書いた原作を忠実に再現していると言う点で、非常に贅沢である。キャロルによる挿絵の着いた直筆の本と翻訳・解説が、この価格で入手できる。アリスは、本来、子供向けの本ではない。言葉遊びに満ちた大人のための本である。アリスマニアは、是非、子供向けのキャロル原作の本ではなく、キャロル自身のアリスを楽しんでみてはどうか? 『鏡の国のアリス』もセットで出して欲しいと思う。

鏡の国のアリス (岩波少年文庫)

鏡の国のアリス (岩波少年文庫)