第三の嘘

『愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ』では、第三部であるこの本のテーマは、”虚実の概念の破壊”だという。そして、無駄な伏線について触れる。フーガの中の最終intermission『第三の嘘』も、嘘か真実か、読んで行くうちにわからなくなる。謎解きのはずなのに、”第四の答え”が読みたくなる。『第三の嘘』でかかれる真実は、悲しすぎる。絶対に、4作目があって欲しいと思ったけれど、アゴタ・クリストフは、もう、このシリーズに全く、手をつけていない。書かれることはないのだろう。琴音さんのフーガは、書こうとすれば、フーガ・サーガにできると言っていた。終わらない話なのだと書いていた。